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子ども体験プログラム調査報告書(隠岐版)
      (学生視点で見た豊かな子どもを育てる取り組みの調査報告)

子ども農山漁村交流プロジェクト 〜隠岐の島体験活動〜                    
島根大学4回生 清田理紗
2008.10.28
【概 要】
日時:H20年9月30日から10月3日。
場所:島根県隠岐の島町中ノ島・西ノ島。
対象児童:津和野町立木部小学校児童 3・4・5・6年生16名。
児童の活動のめあて
・体験活動を通して、自然に親しむ。
・みんなで協力して、楽しく活動する。
・きまりを守って、きびきびと行動する。
・進んであいさつをする。
・自分の仕事に責任をもち、進んで活動する。
【活動内容】
<1日目>
・結団式・木部小学校出発(木部小学校・移動)
・水木しげるロード散策(境港)
・フェリー乗船(境港〜西ノ島別府港)
・入島式
・一日の反省会
・民宿泊
<2日目>
・大敷網の荷揚げ見学・散策(浦郷)
・するめ作り体験
・郷土料理作り
・魚釣り体験
・海洋性スポーツ体験
・国賀海岸散策
・伝統芸能見学
・一日の反省会
・民宿泊
<3日目>
・フェリー乗船(別府港〜菱浦港)
・海中展望船あまんぼう乗船
・入島式
・サザエカレー作り(自然体験村)
・漂流物の宝物探し(ビーチコーミング)
・宝石探し
・自然観察活動(ウォーキング)
・磯釣り
・海鮮バーベキュー作り
・キンニャモニャ踊り体験
・一日の反省会
・自然体験村泊
<4日目>
・自然観察活動(ウォーキング)
・離島式
・フェリー乗船(菱浦港〜境港)
・移動(境港〜木部小学校)
・解団式

【考 察】
 そもそも、子ども農山漁村プロジェクトとは一体どういうものなのか。これが、今回の活動で最も考えなければならない課題であったように思う。
 総務省・文部科学省・農林水産省が結集して実施されているプロジェクトであるということもあり、こどもを中心として、教育や観光商工など多くの人がそれぞれに目的をもって取り組んでおられた。しかし、そのうちの多くの場所で、所属や立場の異なる人や団体間に違和感が存在するのを感じた。具体的な点を挙げると、まず様々な場所で連携、連絡がスムーズに行われていなかったことである。事前準備はそれぞれの立場によって独立してなされており、今回は、木部小学校の先生方が子どもの引率や指導・支援など細かな行動の全行程を通して担当し、行政に関わる方々が大枠としての計画を練り、活動場所各々の担当の方が体験活動等を担当しておられた。担当分担制にすることでのメリットは、やはり子どもが多くの大人と出会い、多くの経験ができること、様々な仕事の負担が分担し軽減されることである。さらに、受け入れ側にとっても新しい発見や何かしらを得る機会となることである。しかし、活動全体及び活動機関や関係者間でよほど連携がとれる状況でなければ、活動全体として一貫した目的や進行をとることが難しく、活動と活動の間に歪みが生まれてしまう
ことも多分に考えられるであろう。
 今回の木部小学校児童の取り組みでは、先生方が最初から最後まで子どもたちに付き添い、また指導しておられたこと、子どもたち自身のしつけなどの能力が高く、どの活動場面においても受け入れてもらえたこと、受け入れ側が他の事業などで子どもの体験を受け入れることに慣れていたこと、行政のほうの方もしっかりついておられて臨機応変に動くことができたことなどが充実した活動をすることができた理由であると思う。
 先に述べた連携や協力体制、相互の理解(それぞれの目的や役割など)においては不十分な点がみられたが、これらのファクターや臨機応変さなどによって今回はカバーでき、よりよい活動となった。しかし、全ての活動がこのようにうまくいくものであるかは疑問である。綿密な計画と、準備について、工夫の余地はありそうである。
 次に、活動者側と受け入れ側の2つの視点からプロジェクトにおける工夫について考えてみたい。
まず、活動者としての子どもたちは、なにかを学んで帰ることが一番の目的である。今回の活動では、毎日活動の振り返りを日記や発表などを通して行っていた。また、実際に隠岐の島町で活動をする前に事前学習を行ってきており、さらに帰った後にも、学習発表会における発表などの事後学習が計画されている。事前・事中・事後の学習が丁寧にされ、現地で学べる内容を濃いものにし、さらにその定着を深めることができるであろう。
 受け入れ側において、単に子どもたちに自然体験などの場を提供するだけではプロジェクトの持続可能性は低いものになってしまうであろう。指導した方々の間に、改めて昔ながらの技術や伝統文化などの発掘と保存の機運が高まるなどのメリットがなければならない。つまり、受け入れ手ではあっても、受身なわけではなく、こちらにおいても学んだり利益を得ることが必要である。
 プロジェクトにおいて、この活動全体のコーディネートをする役割も重要である。今回は学校や行政がこの部分を担ったわけであるが、ここにかかる負担は大変大きなものであった。独自に用意された活動と活動との間を埋め、子どもたちを上手く移動させることや、それぞれの活動を行う場所との連絡など、多くの仕事があった。全体の活動コーディネートや進行を分担化することと総括化することとは、どちらが良いかと容易に答えが出るものではない。活動を何度も行い、よりよい子ども農山漁村交流プロジェクトのかたちを追及し続けていくことが重要であるだろう。その過程で、受け入れ手にも慣れてもらえ、協力体制も強固なものに成長させることができるであろう。
子ども交流プロジェクトに参加して
島根大学法文学部言語文化学科  長崎 香代子
 津和野町立木部小学校の子ども交流プロジェクトに同行させていただき、隠岐郡西ノ島町と海士町での体験活動に参加しました。木部小学校は3〜6年生の16名が参加しており、活動開始前に学校で隠岐の島について調べ学習など、事前に学習を行っていました。
 西ノ島町での活動は、西ノ島町観光協会の方々が計画を立て、運営をしてくださいました。児童への話し方も上手で、なにか小さなハプニングが起こったときにも臨機応変な対応をしておられ、とても慣れていらっしゃるな、という印象を受けました。
 観光協会の方にお話を伺うと、西ノ島町にはよく修学旅行で学生が来るそうで、修学旅行生のためのプランがある程度確立されている、とのことでした。西ノ島町はこのような観光産業に力を入れており、日頃の取り組みがあるため今回の体験活動もスムーズに行えたのだと思います。
 また、地元の方がとても協力的で、調理実習の際など地元の方が運営してくださり、いろいろな場面で児童がたくさんの人と触れ合う機会があったように思います。海士町での活動は宿泊施設で行われ、自然に囲まれた施設の周りの山や海での自然体験学習が充実していました。
 木部小学校の児童は普段海で遊ぶことが少ないということで、とても楽しんでいる様子でした。ここでは、すべて施設の方が運営してくださり、この施設でもよく子どもたち向けの自然体験活動を行っているため、スムーズに行われました。

 私がこの体験学習に参加して気がついた良い点を述べたいと思います。
 まず、学校側の目的が体験“学習”であり、明確であった点です。今回の木部小学校は事前学習を行っていたため、体験活動のなかで質問をしたり事前学習の復習をしたり、事前学習によって、より活動が充実していたように思います。
 それから、今回の木部小学校の場合は移動の際や宿泊先での児童の行動に対しての指導が徹底されており、活動中以外の場面でも体験学習であるという姿勢がスムーズな活動へとつながったのだろうと思います。
 それから、受け入れる側の体制がしっかりしていた点です。西ノ島町でも海士町でも、観光協会の方や地元のボランティアの方の協力がとても大きな力になっていました。そして、修学旅行などを受け入れるなど、日頃からの経験もあり、活動の計画や運営体制がしっかりとできていたため、無駄のない活動となりました。

 今回私は“大学生が子ども交流プロジェクトを運営または力になるためにはどのようにしたら良いか”というテーマを持ってこの活動に参加しました。活動を通して感じたのは、学校が学習を目的として参加することを考慮すると、@学生も事前学習から参加するべきであること、A先生方の引率が絶対に必要であること、B活動中の指導と学校での指導との統一を図る必要があること、の3点において残念ながら学生の協力が難しいのではないかと感じました。学生が協力するためには、上に挙げた3点をカバーできるような体制を持ったチームを確立する必要があります。
 学生が参加することは決して無理なことではなく、事前学習や学校の目的、指導方針などを把握した上で参加することができれば学生の協力が大きな力になると思います。
 これからも、子ども交流プロジェクトを通して、子どもたちが普段触れることのできない自然に触れ、充実した体験学習が行われることを願います。
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